|
|
『サンゲリア』
(1979年/日本公開1980年5月)
イタリア/アメリカ 91分
監督ルチオ・フルチ 製作ウーゴ・トゥッチ ファブリッツィオ・デ・アンジェリス 脚本エリザ・ブリガンティ 撮影セルジオ・サルヴァティ 特撮監修ジャンネット・デ・ロッシ 特殊効果:
ジノ・デ・ロッシ 特殊メイクジャンネット・デ・ロッシ 音楽ファビオ・フリッツィ ジョルジョ・トゥッチ
出演イアン・マカロック ティサ・ファロー リチャード・ジョンソン オルガ・カルラトス
ニュー・ヨークに流れついたボートに乗っていた腐乱した怪人に警察官が殺される。事件を取材する記者は船の持ち主の娘と彼女の父がいるカリブ海に浮かぶ島に向う。しかしそこでは蘇った死者が人肉を求めて生者を襲うという異常事態が起こっていた…。
ロメロの『ゾンビ』と並ぶゾンビ映画の代表作。モダン・ゾンビ映画の王道パターンをヴードゥ・ゾンビ発祥の地であるカリブ海の島を舞台に展開するという、ヴードゥとモダン両方の要素を兼ね備えたハイブリッドにして、究極のゾンビ映画。
ゾンビを使っていかに観客を怖がらせ、不快な思いにするのかのみを追求したゾンビの気色の悪いビジュアルや残酷シーンの数々は圧巻!腐乱したゾンビが登場する冒頭から異様な緊張感が漂い、途中ちょっとユルイ展開もあるものの、終盤の腐ったゾンビが墓場から蘇ってくる辺りからクライマックスのゾンビとの攻防までのこの世のものとは思えないおどろおどろしさはとにかくすごい!
気色の悪い外観でヒタヒタとせまり来るゾンビの薄気味悪さや、南の島を舞台にしていることもあって全編に漂う何か熱病に侵されたような空気は、悪い夢を見ているような感覚を観る者に生じさせる。
ロメロの『ゾンビ』に比べテーマ性などはゼロだが、ニュー・ヨークもゾンビに侵略されてしまったという取って付けたようなラストも加え、極上の終末観を醸しだすことに本作は図らずも成功してしまっている。
『サンゲリア』で監督のルチオ・フルチはロメロと並ぶゾンビ映画のマスターとなりその後『ビヨンド』『墓地裏の家』『地獄の門』などのゾンビ映画を次々と発表していくことになる。
終末観☆☆☆(途中ダレなかったら☆☆☆☆☆)
残酷性☆☆☆☆☆
ゾンビビジュアル度☆☆☆☆☆
サバイバル度☆☆☆☆
お色気☆☆
音楽☆☆☆☆
|
|
|