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ジョージ・A・ロメロ/ゾンビの世界 |
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『ホワイトゾンビ』 |
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『ホワイトゾンビ』
(1932年/日本公開1933年6月)
アメリカ 73分
監督ヴィクター・ハルペリン 製作エドワード・ハルペリン 原作ガーネット・ウェストン 脚本ガーネット・ウェストン 撮影アーサー・マルティネリ 音楽エイブ・メイヤー
出演ベラ・ルゴシ マッジ・ベラミー ロバート・フレイザー ブランドン・ハースト
結婚式を挙げるためにハイチを訪れた男女。しかし花嫁は2人をハイチに誘った地元の有力者に横恋慕されていた。彼はヴードゥの呪術師に依頼し彼女をゾンビ化して我が物にしようとするが…。
映画史上初のヴードゥ・ゾンビ映画。『魔人ドラキュラ』などで有名なベラ・ルゴシがヴードゥの呪術師を怪演し、ゾンビを奴隷としてこき使っている。本作を観ればこの時点で感情や意志を喪失し動作の緩慢なといった、我々のよく知るゾンビのキャラクターがすでに確立されていることが分かる。
人を人足らしめている感情や意思を奪い取られ、ただ主人の命令のままに行動するゾンビの姿はいかにも不気味で、それとともに哀れみもいくばくか感じさせ独特の存在感を醸し出している。それにこれは後のコメディやパロディ系のゾンビ映画にも通じる要素だが、無表情で緩慢な動作のゾンビ達からは哀れみと共に、どことなく滑稽さも滲み出ている。
このようにゾンビのキャラクターの魅力は普遍なのだが、『魔人ドラキュラ』や『フランケンシュタイン』などに登場するモンスターに比べればやはり地味な印象は拭えず、作品自体もつまらないわけではないものの映画としての古臭さも如何ともしがたい。というわけで『ホワイトゾンヒ』が、この先、ベラ・ルゴシ主演ということや最初のゾンビ映画ということ以外に一般の映画ファンに振り返られることはほとんどないだろう。
ヴードゥゾンビ度☆☆☆☆☆(当然ながら)
怪奇性☆☆☆
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