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ジョージ・A・ロメロ/ゾンビの世界 |
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『デモンズ95』 |
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『デモンズ95』
(1994年/日本公開1994年11月)
イタリア 100分
監督ミケーレ・ソアヴィ 製作ティルデ・コルシ ジャンニ・ロモーリ ミケーレ・ソアヴィ 原作ティジアノ・スクラヴィ 脚本ジャンニ・ロモーリ 撮影マウロ・マルケッティ 音楽マヌエル・デ・シーカ
出演ルパート・エヴェレット フランソワ・ハジー・ラザロ アンナ・ファルチ
ひねりのきいた異色のゾンビ映画。夜な夜な蘇るゾンビの処理に明け暮れる墓守人とその風変わりな相棒…。墓場から蘇るゾンビという荒唐無稽な設定をかりて、様々な人間模様をカリカチュアライズしながらときにコミカルにときにペーソスをまじえながら描く。
『デモンズ95』の舞台である現実とも幻想ともつかない世界は、そのまま人生の不合理や移ろいやすさを表している。とくに、ゾンビの処理に終われる毎日、そこから抜け出せないもどかしさ、精神薄弱の相棒、実らない恋…、などといった主人公の墓守人が置かれている状況は、ある時期の若者一般が置かれている状況の暗喩となっている。
一般の映画ファンならバカにしそうな設定の中に深みのあるテーマが示唆される本作は、ゾンビ映画といよりも幻想文学に近い映画といえるだろう。まあ堅苦しいことは抜きにして、ゾンビもたっぷり出てくるし、お色気も、残酷描写もそこそこありで、ホラー映画として十分に楽しめる良作である。
怪奇性☆☆☆
テーマ性☆☆☆
残酷性☆☆
お色気☆☆
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