|
ジョージ・A・ロメロ/ゾンビの世界 |
|
『ブレインデッド』 |
|
『ブレインデッド』
(1992年/日本公開1993年6月)
ニュージーランド 104分
監督ピーター・ジャクソン 製作ジム・ブース 原案スティーヴン・シンクレア 脚本ピーター・ジャクソン スティーヴン・シンクレア フランシス・ウォルシュ 撮影マレイ・ミルン 音楽ピーター・ダゼント
出演ティモシー・バルム ダイアナ・ペニャルヴァー エリザベス・ムーディ イアン・ワトキン
ラット・モンキーに噛まれてゾンビ化してしまった母親を地下室に匿って世話をする気弱な青年。母親は次々に人を殺し、そのたびに地下室のゾンビも増えていって…。
いまや『ロード・オブ・ザ・リング』三部作で巨匠の仲間入りをしてしまったピーター・ジャクソンの出世作。ゾンビ映画の十八番である人体損壊描写をとことん突き詰めた究極のスプラッター映画であり、ゾンビ映画の約束事を踏まえつつそれを徹底的にギャグにしてしまったスラップスティックコメディーでもある快(怪?)作。80年代を通して大量のゾンビ映画が作られ、消費尽くされ、飽きられた末に、そのブームの終焉を告げるように登場したニュージーランド製の徒花ゾンビ映画。
ゾンビをネタにくだらないギャグが繰り広げられ、これでもかというほど血が飛び散り、人体が破壊されるステキな映画。同時に、主人公のマザコン青年が怪物化した母親との対決を通して自立するといった人間ドラマも描かれていて、一見するとめちゃくちゃな映画だがその点観賞後の後味も悪くない。
『ブレインデッド』はサム・ライミの『死霊のはらわた』のように若き才人のパワーが充満した作品だ。ジャンク映画の監督として認識されていたピーター・ジャクソンは本作でその力量が認められる。ピーター・ジャクソンにとって『ブレインデッド』はその後の活躍に繋がっていくターニングポイントとなった作品なのだ。
残酷性☆☆☆☆☆
コメディ度☆☆☆
テーマ性☆☆☆
|
|
|